水の中を映す|SEABASS LURE LAB.
AM6:30
小雨の降り止まない5月の早朝、指定された海沿いのとある場所にやってきた私の目に飛び込んできたのは、時折笑い声を交えながらも、黙々と撮影を進める彼らの姿でした。
現在、数多の「釣り系YouTuber」が活躍する中、水中ルアー動画を軸にしたエンターテインメントを手がける二人組、シーバスルアーラボ。
彼らの手掛けるコンテンツのうち、今回は「ルアーの水中動画」の制作について、詳しくお話を伺いました。
水中ルアー動画の魅力
シーバスルアーラボが考える「水中動画」の魅力
ーーずばり、水中ルアー動画の魅力について語ってください

情報量は全然違うね。
撮りよっても、「あ、こんな動きすると思ってなかった」
みたいなことあるよね。

ある

例えば何かある?笑

ハハハ

その場でプレビューしてみたら
思ったより頭上がっとんやとか下がっとんやとか…
思ったより水平やった…とかは全然あるよね。

上から見た時、深さに対する見え方ってあんま分かりにくいねぇ…
あとその、ジャークしたときに、横に飛びよんか斜めなんか。
上下?の動きとかって、上から見るだけじゃわかりにくくて。

光の屈折により、上から見て分からないことも多いのがルアーの泳ぐ姿。水中を覗きながら丁寧にリハーサルを繰り返します。

あとは何、その…
ジャークで言ったら、
動きはわかるけど動きの中で若干ロールが入って横っツラ見せとる。とか。
そこまでは多分…上からじゃ判断できんね。…
それが水中から見たらわかるんよ。
「あっ!ここでフラッシング効くんや」とかね。

そうやね。

だって、光が飛んでいく方向ってもう決まっとるけんさ。
俺らが見よる方向に光が来てなくても、横から見たら光っとる可能性あるやん。
上から見たんと全然違うよね。

うん。情報量は全然違う。
水中ルアー動画の存在意義
ーー魚を釣る際に、水中から見たルアーの動きって大切ですか?

ぶっちゃけ言っていい?
自分の持論。
おれ、人間からどう見えるかは、釣る上であんまり関係ない気がした。
ただ、人がルアーを買う上では参考になると思う。
でもそれが魚を釣れる動きなんかどうかは… 波動とか、そのときの状況によって全然違うやん。

シーバスルアーラボ YouTube「スイム動画」より

なんか、例えばブローウィンがめっちゃ釣れるって言っても、全然タイミング合ってないところで投げたら釣れんし。カゲロウでも何でも。
それと一緒で、魚にその動きがダイレクトに効いとんかどうかは、ちょっと微妙かなと思うよね。
自分で適材適所でルアーを入れていくための、ただの参考?
魚のためというよりか人のためよね。どっちかと言えば。

そうやね…
100%魚に何が効くかって、ぶっちゃけ分からんやん?
やけん、これまで自分がどういうので釣れたかっていうところから、ロールが好きとか、ジャーキングの成功体験があるんやったらジャーキングの方が釣れるね。みたいな。
そこから動画見て、自分の好きな動きに近い!みたいな感想持ったりするかなって。
「ルアーのありのままの姿」を動画に
ーーある程度視聴者に見方を任せてるっていうスタンスですか。

そのまま伝えるみたいな感じ?ありのままを見て、好きやったら好きでいいし。


映像見ていいと思ったら買えばいいし、別に俺ら買ってくださいっていうスタンスじゃないけん。

どうでもいいよね、俺らも消費者やけん。

ルアー買ってもらったところで俺らは別に儲けは無いけんね。

そう、どうでもいいっちゃどうでもいいね、そこは。
動画を撮影する過程で
いち消費者という目線での動画撮影
ーー自分たちで、テーマとか設定しておいて、撮影に臨む。ていう感じですか

ある程度の情報は持っとるけど…
実際撮ってみてどう動いとるかっていうので、結局編集するときにこれは…こうやな…みたいな。
でテロップ入れたりしよる。

そう、こういう時に使っていけばいいですよね、みたいな。

やけん、あくまでも、僕らのこれまでの釣り体験をベースに、こういうとこで効きそうとか。
メーカーが謳ってることも別に入れるけど。

あくまでもユーザー目線で

そんな別にメーカーが言ってないことを言よったりもするもんな俺らが。

そう。

だから時々あるやん、なんか。メーカーはこうやってパッケージに書いとるけど、いや、実際そうじゃないよね。みたいな。
使いよったらあるやんそういうのって。そういうところを、本当にプロでもないメーカーとのしがらみもないっていうユーザー目線で…
もうホント消費者、いち消費者の感想みたいな感じよね。

そうそうそう、でもレビューとかってそういうもんやし…
まあ、ある程度そこまでカドが立つような言い方せんけど…
ぶっちゃけあんま飛ばないですとか。
そこは言うんかな。

正直な感想を、まあ言い方を考えはしても、正直に伝えるっていうのがモットーよね。

撮影作業の大変なところ
ーールアーを映す時って、今日も見てましたけど、それだけで大変な作業ですよね

もうだいぶ慣れたけど最初は大変やったねぇ。
トラブルはあったね。

あー、落ちるとか。その機材が今のとこに収束するまでの、ふふ

落水とか、機材の落水、人間の落水

ルアーを操作するウィルさんは、この狭い足場で後ろ向きに移動したりする。

あははは

あとは、いざ取るぞってなって、機材トラブル。
見てみたら、Wi-Fi飛ばすケーブルが切れとったとかね。

SDが反応せんとか
何かエラーで撮影できんとか。

撮影用の棒が、塩で錆びとって

いきなりポッキリ折れるとか…

干満の影響が一番でかいよね。いつでも取れるわけじゃないけん。
1回アクシデントが起きたら、もうその日はもうほぼ復旧無理よね。

到着して、波バッチャンバッチャンで…
もう無理です!みたいなのがシーズンによっては何週も続いたりするけん。

当日は雨模様でしたが、彼らにとって問題ではありません

それで誇れるのは、スタートしてもうすぐ丸2年経つけど、あげますって決めとる曜日を一切穴開けたことないよね。
それだけはマジでちょっと誇らしいよね。ハハハ

それだけは分かって欲しい 笑
動画を撮影する際のこだわり
作り手の意思とユーザー目線
ーー撮影する際にこだわりはありますか

こだわりか…

スピードに関しては常に一定じゃなくて、そのルアーに合っとるなと思うスピードで動かすっていうのは心がけてるよね。

そうやね。うん。
あとはまあ一応メーカーが出しとるのは、試すよね。

基本的にメーカーが謳っとる使い方は試すね。

やっぱ作り手の意思があるわけやけん、一旦そこは映すと。
その上でも例えば
ジャークの良さを謳ってはないけど、やってみたらめっちゃいいとかやったら、もうそれは載せるし。
早巻きで破綻するとかやったら、それも載せるし。

光と画角

あとカメラ関係でいうと、やっぱ光?
…なんかできればあんまりピーカンというかさ、ギンギンに照っとったりするとさ

飛ぶんよ

そう!色が飛んで…
やけん、できれば”若干ローライト曇り”ぐらいがベスト。
そっちの方が見やすいし。

あとは…
案外苦労するんが、撮るときに水平保つっていうことかな。

あ、あれ。やっぱ意識しとん?

しとる。

お互いが良い画角を意識して息を合わせる、繊細な作業

実際撮って、なんか案外泳ぎが水平やな。
と思っても、実際ズレとって

あー、画角がね!

そう。
カメラの角度がズレとることによって、若干水平っぽく見えるみたいな。

なるほどね!
俺そこは多分気づいてなかったわー

それぞれのこだわりが光ります

やけん、そこが結構ストレスというかさぁ。
これ水平?って、なんかコメントを書かれとったりするけど…
ちゃんとこれ水平に撮れとんかな…?みたいな。

俺、水平で撮れとるもんやと思ってたからさ…
恵まれとるわぁ

うん、結構ムズイ。そこが。
それぞれの撮影技術とこだわり

俺はねえ…
K Yのカメラワークを信じてやっとる中で、ゴープロの画角がこのぐらいの角度あるっていうのは大体わかっとるけん、そこに外れてないか気をつけとるぐらい。

こっちもできるだけ寄りたいっちゃ寄りたい。
綺麗に撮りたいっていう意味で。
やっぱ引いて撮ったときに、後からクロップしたら若干ガビる部分もあるし、できれば寄りたいけど、その優先順位としてどれを取るかみたいなのがあるというか。
画角を取るか、綺麗に撮れるっていう方とるか…
それは、ちょっと時と場合による。

細かく調整を繰り返しながら撮影を進める二人

8Kで回せたらね。もうちょっと広がるんやけどね。

あと、ローライトな分、カメラの性質上、やっぱり光がある方がISO低く撮れて、鮮明に解像度高く映る。
けど、光飛ばんようにっていうローライトを若干意識してやっとる分には、そのままの画角でいった方が綺麗。
やけん、そのままで出したいがゆえに近くに寄り過ぎるとちょっとのズレで、画角からルアーが飛び出て、どっちをとるか…
みたいな。

やっぱり、技術が向上しとるよね。ハハ。
最初の方はモニタリングもできん状態やったけんね。
そこで「あ、こんな機材があるんや」って調べて、で今手元で画面見ながら水中撮れるようになって、それでも「ちょっとゴメンもう1回」
っていうのが何回もある中で、今日に至ってはほぼワンテイクやったけん。

事前にルアーの動きを確認する二人

あとは棒の太さとかね。
最初もう、頑丈なこんな鉄の棒とかでやって。ワハハ。
水の抵抗ヤバすぎてゴボボボボみたいな。
そしたら、泡もヤバいし、音もすごいし。

早く巻くのについていけれんし

で今は

園芸用のあれやっけ?

そうそう

で、元々はどっちがどっちやっても撮れるように、スイッチしてもできるように成り立つようにやろうって言よったんやけど
結局もうカメラ撮る側・動かす人、固定にしてやっとるけん
今「スイッチして撮って!」って言われたら多分撮れんよね、もはや。
ー TO BE CONTINUED…




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