陳列は絵面だ!|いわくら釣具
愛媛県四国中央市の国道11号線沿い、しがない釣具屋を自称する粋な店主の営む個人店「いわくら釣具」は今日もOpenしています。地元の釣り人にぴったりのラインナップで仕入れられた釣具は、店長自作のユニークなポップで飾られ、お洒落な雑貨屋のように並べられています。今回はレゲエの流れる店内にて、店長の宮崎さんから「店創りの魅力」について、お話を伺いました。
陳列は絵面だ
ーーここに来ると、釣具がカッコよく見えますよね
(店長の宮崎さん以下敬称略)
宮崎:キメ台詞はこれやな「陳列は絵面だ」ていう。そんな偉そうに言うこともないけど…もう店の陳列なんて絵面やと思っとるけん。釣れるルアーとか売れるルアーとか入れるんも、もちろんなんやけど、まあまあ俺の中で占めとるのが「これ店に並べたらかっこいいな」とか「これ並べたいな」っていうことで入れることは多いよ。売れんでもいい。並んでたらかっこいいなって思って入れるのはある。

ーー宮崎さんにとっての釣具ってなんですか?
宮崎:もっと根本的な話になっていくけど…ルアーって商品やけど、俺は作品やと思っとって。プロの人だったりメーカーの人だったりの作品なわけやから。テストして発売して。な。それを、ただ単に物を右から左に動かして利益を出すっていう、物販の一つになるっていうのはなんか味気ないや…っていうのがあるかな。
だから売れればいいとかでもないし。だからあんまり、こうなんていうんやろ。ちょっとすぐ売れんかったら見切り品にするとかさ。そういうのをしたくないっていうか。陳列が雑なところもあるけども、それも含めて店のあれかなっていう。雑貨屋みたいにしたいとか、駄菓子屋みたいにしたいっていうのは絶対根底にあるけんさ。

ーー駄菓子屋?
宮崎:駄菓子屋。昔の駄菓子屋。カゴに入れてポッポッポッって置いてるやつとか。あとあの小料理屋のさ笑
あるやん。小鉢に入れてカウンターに並んでるおかずだったりとかさ。お惣菜屋みたいな。
ーーなるほどルアーっていうものの見方ですよね。ルアーに限らず、いろんな仕掛けとか。
宮崎:エサ釣りの道具って意外とそういう陳列しにくいよな。なんかエサ釣りってやっぱり道具感がすごくて、ルアーってどっかにやっぱりおもちゃ感があるやん。ルアーグッズってどれもそうやん。フィッシュグリップにしたって何にしたって。なんかこう、ちょっと、メーカーさんも遊び感出しとったりとかするけんな。そういう陳列にハマるよなやっぱり。
なんか、かっこいい店
ーー店の雰囲気も作り込んでありますよね
宮崎:そう、それが結構、お客さんが言ってくれるから「あっ伝わってるんや」と思って嬉しいな。
ーーどんなこと言われるんですか
宮崎:なんて言われたっけな。大雑把に「かっこいいっすねこの店」って言われることが多いんやって。初めて来た人がよくボソッとそれを言ってくれて。なんかかっこええっすねとか言って。

ーーなんかかっこいい?笑
宮崎:なんかかっこいい笑 わからんのよお客さんも。やけん、全体の雰囲気なんやな多分。トータルしてポップだったり陳列だったり。なあ。あんな訳のわからん壁に貼ってるポスターだったり。あんなん貼る必要ないもんね。普通やったらあそこにさ、シマノだったりダイワだったり新製品だったりのポスター貼るのに。どうでもいいやん、あんな山下達郎さんのアルバムとか。ナイアガラトライアングルのジャケットとかさ。

ーーポップとかもこれ自分で描いてるんですね
宮崎:ポップは全部自分で描いてる。ポップも相当みんないろんな人が褒めてくれる。実はこの間、彼女がイラストレーターしてるっていうカップルが来て、彼女がずーっとこうポップ見てて、「弟子入りさせてください」とかって言われて。笑「また今度ポップ見に来ていいですか?」とか。

ーーポップ目当てに?
宮崎:そうそう。いやいやプロが何を言うてんの。俺はお金取れんレベルのもんやで。みたいな
ーー以前、ポップ作るの見てましたけど、結構時間かかりますよね
宮崎:かかる。めちゃくちゃかかるよ。あれやってる時はでも、いっちゃん楽しいな。店閉めて、暗くして好きな音楽かけて、ずーっとポップ描いてる時がめちゃくちゃ楽しい。でもそれがな、嫌な労力とは思わずに、それも楽しいし…それ陳列した時に店にあるルアーと陳列がハマると、おーってなるやん。満足度が違うよな。普通に名前と値段書いてあるポップとは違うやんか。
ーー値札のポップも結構凝ってますもんね
宮崎:最近は全部手書きで描いてるから、あんま事務的なのは面白くないなっていう。あー、そんなんもあるんやろな。かっこよく見えるっていう。

いわくら釣具とヴィレッジヴァンガード
宮崎:基本的に雑貨屋さんのイメージがあって、やっぱ一番衝撃を受けたんがヴィレヴァンやもんな。
初めてヴィレヴァンに行った時、大阪におった時かなあ。やばいやん陳列が。わけわからんもん、あったま悪いやんなんか。天井とかにさあ、パラシュート部隊売ってたりとかするやん。こう、壁見たら上を見ろとか書いてるんやって、んで上向いたら上にパラシュート部隊おるんやって。んで「バーカ」とか書いとるやん。クソぉ〜みたいな。ヘッヘ。天才や!とか思って。
ーーヴィレヴァンに影響受けたんですね
宮崎:ヴィレヴァンに影響受けたよめちゃくちゃ受けたよ。あのポップ職人は天才やなって思うなぁ、あれ。あそこ店長さんがやってんやろけど。


チューブのありかはそのまま左後ろ向いて!からの「チューブのココ!!ココ」まさにヴィレヴァンの感覚。
ーーヴィレヴァンだってあれ本屋ですもんね
宮崎:そうそう本屋本屋。そこの店長さんのクセが出るやん。ヴィレヴァンは同じような物置いてるけど、店によって全然違うもんな、置いてるもんが。そこの店長さんの趣味なんやって。その都度、店の中変わってんのがそれよな。店長変わるからな。もうラインナップ全然違う。やっぱ昔の店長は面白かった。変な物売ってたもん。まぁまぁその時に売れる物を売ってるんやろから、それはそれで正解なんやろけど。

ーーいらんもんいっぱい売ってますもんね
宮崎:昔のポップすごかったやんなんか。すごい覚えてるわ。本屋さんやから廃墟だけを集めた本とか売ってるわけよ。廃墟の写真を一冊にまとめましたとかって。で、そこのポップが「お、オラの家が…」みたいな笑 書いとったんやって。で、なんかヨボヨボのおじいの絵書いてて…
「くそー」って思って
「これかぁ」って思って
「これが店よな」って思って
言うか自分の店でそうできるのって自分の店やからな。雇われやったらできんやん。
宮崎さんにとっての仕入れとは
ーー仕入れは自由ですもんね
宮崎:仕入れも自由やな。失敗もいっぱいあるけどな
ーーヴィレヴァン的観点でいう、思わず入れてしまったみたいな釣具ってあるんですか?
宮崎:ラパラのカメレオンルアーに決まってるやん!あれとかインコのやつとか。売れ残ってるけどあれ俺はもう看板やと思ってるから、売れなくていいんやって。

ーーミスってるって思ってないんですね
宮崎:思ってないもん。あれこそ「陳列は絵面だ」やろ。ミスってはないな。自分で思ったものしか入れてないしな。売れんくてもいいから並べてみたいなっていうので置きだして成功したのが、ボガグリップとサブロック。サブロックが一番やな。もう並べたかっただけよ。売れんでいいわと思って。だって高いもん!あの頃ね、さっきも言ったけど、金がない時期に無理して入れてて…

宮崎:やけんもう売れたらまた仕入れないかんから、もう買わんといてくれ!ぐらいな感じやった。飾りたかっただけなんよ、ただ単に。最初ベスト入れただけ。そっからやな。売れて。そのまま入れていってたら、もうどんどんお客さんついてきて。多分俺西日本で1,2とかサブロック売ってたよ。
ーーサブロックに関してはブログの記事も結構細かいですもんね
宮崎:俺のブログってまあまあレビュー細かいと思うんよ。ポケットここついて、ここのポケットはこういう使い方ですよとか。逐一全部ファスナー開けて、ここは何が入りますとか、こうする時に便利ですよとか。
まあまあマメな。俺メーカーのホームページぐらい細かく書いてるで。

ーー僕はやっぱあれでよく感動するのが、サイズ感がわかること。メーカーのホームページとか見てて、バッグ見てもサイズ感わからんのですよ。
宮崎:俺もともと鞄屋やけんな。大阪で鞄屋やってた。鞄製造をやってたわけ。学生鞄とか紳士鞄とか。
ーーなるほど、それで!
宮崎さんと店の【作業場】

ーーところで、店長の作業場ってここですか?
宮崎:作業場ここやな。全てここやな。修理もここ、ポップ描くのもここ、全部ここやな。今はもうやってないけど魚拓もここやったけんな。もう全てがここで生み出されていく感じやな。
ーー結構道具ありますもんね
宮崎:道具あるな。使ってないのもあるけどな。これもそうなんやって。何やろう並べたいから買うっていう。買ってから使い道考えるとかな。あるな。だから釣具直すのに限らず。


ーーいろんなことやってるわけですよね、革から何から。
宮崎:そうそうそうそう。陳列に、店内の小物作り、改装なんかも自分でやってるな。ありあわせのもんで。店にある道具とか転がってるもん使って、だいたい店のもんとか作ってるなあ。1日長いからな。土日なんて17時間ぐらいおるわけやんここに。その間ずっとピリピリはな。
ーーでも、自分が好きなものをこうやって散りばめて
宮崎:それが受け入れられたから良かったけどな 笑
ー TO BE CONTINUED





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